今年12月7日(土)より[東京]ポレポレ東中野、ヒューマントラストシネマ有楽町、[大阪]第七藝術劇場にて、12/14㊏より[札幌]シアターキノほか全国順次公開が決定。
統合失調症の症状が現れた姉と、彼女を精神科の受診から遠ざけた両親を、弟である監督自身が記録していく本作。カメラを通した家族との対話は20年に及び、“どうすればよかったか?” という正解のない問いが容赦なく響きつづける破格のドキュメンタリーです。
この度、本予告編が解禁となり推薦コメントも続々到着!
配信・ソフト化は未定となります。ぜひ劇場でご覧ください。
🟡本予告編🟡
▽YOUTUBE▽
🟡コメント🟡
家族の映像を記録し、公開することの可否を、息子に問われた老いた父の返答に、複雑な感情でなんともいえず胸がきゅうっと詰まった。
どこかほっと安堵したような気持ちにもなったわたしは、もしかするとその返答を「正解」だと感じた、あるいは「受け入れた」のかもしれない。
わたしは、いつも「正解」を求めてしまうのだな。自分にも、誰かにも。
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青山ゆみこ(編集・ライター)
「どうすればよかったか?」という問いに正解を答えるのは、決して難しいことではない。
それでも人は必ずしも正解を選ばない。どうすればよかったか、みんな本当はわかっているはずだった。
鎖のかかった扉の内側から家族を見つめる静かな視点。
終わっていく物語は私たちにもういちど問う。一体、どうすればよかったか、と。
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伊藤亜和(文筆家)
姉の病気を認めないことで成立する「家族」のあり方。おそらく多くの機能不全家族にも通じる矛盾であり、その矛盾をはっきりとカメラに残したドキュメンタリーである。
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インベカヲリ★(写真家、ノンフィクション作家)
姉、弟、父、母。
一緒に暮らしているがゆえに、どうしようもなく孤立していく人たち。
聞こえてる? 聞こえてるよね。
25年間にも及ぶ、すれ違う会話の集積が問いかける。
では、家の中に閉じ込められた困難に、社会は、他者は、何ができるのか。
どうすればよかったか。――わたしたちはこの映画から、対話を始めたい。
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瀬尾夏美(アーティスト、詩人)
解釈を拒む奇妙で厳しい現実を、そのままゴロっと差し出したような映画である。だからか、どう評していいのか分からない。観た後しばらく茫然とするしかなかった。
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想田和弘(映画作家)
映像はふるえている。目もくらむ年月を重ねたままならない日々と家族が、そこにうつっている。求めることができなかった助けの声が、問いのかたちとなって社会に手渡された。映像を観たいま「あなたたちはこうすればよかった」ではなく「わたしたちはどうすればよかったか」という思いが離れない。
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永井玲衣(哲学者)
ある時点よりも先の未来の物語には、常に無数の筋があります。
その時点での環境、不安、希望、知識、出会いなど、様々なものに影響されながら、その人や周りの人たちは一つの筋の物語を紡いでいきます。
人生の物語はどの時点でも道半ばで、いくらでも振り返ることはできるけど、歩んでいる筋のよしあしに正解はきっとありません。
どうすればよかったか?
問いは壮大。考え続けることは楽ではない。
けれど、とても稀有な記録、記憶をたどりながらそれを一緒に考えるような鑑賞体験は、とても貴重で意義ある時間に感じられました。
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星野概念(精神科医 など)
これは私たちの映画だ。「両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めた」と聞けば、常識的ではない家族の記録と早合点しそうになるが、事はそうシンプルではない。統合失調症の「姉」に大多数の人と異なる点があるのは確かだが、常識的ではないかといえば違う。そろって医者の「両親」は常識人であることに執着し、常識的ではない日々にたどり着いた。では、そんな家族を撮りつづけた監督のふるまいは常識的といえるか。誰にとっても他人事ではない人生がここにある。
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松尾潔(音楽プロデューサー・作家)
観終えてずっと考えている。どうすればよかったのか。でも答えはまだ見つからない。早く医療に繋げるべきとか拘束すべきではないとかのフレーズは浮かぶけれど、それが根源的な解だとは思えない。きっと他にある。だからもう少し考え続ける。
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森達也(映画監督、作家)
カメラを持った男――弟であり息子でもある彼は、「撮る」ことでいかに自らの家族と、そして世界と切り結ぼうとしたのか。
記録されることがなかったかもしれない場所で、「ともちゃん」と呼ばれる男から、人間探究の目が立ち上がってくる。我々はこの目の発動を映画と名付けているのではないか。カメラの前で老いた父親と真っ直ぐ向き合う藤野知明監督の姿が、この映画の決定的な余韻として残っている。
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森直人(映画評論家)
🟡イントロダクション🟡
家族という他者との20年にわたる対話の記録
面倒見がよく、絵がうまくて優秀な8歳ちがいの姉。両親の影響から医師を志し、医学部に進学した彼女がある日突然、事実とは思えないことを叫び出した。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある父と母はそれを認めず、精神科の受診から姉を遠ざけた。その判断に疑問を感じた弟の藤野知明(監督)は、両親に説得を試みるも解決には至らず、わだかまりを抱えながら実家を離れた。
このままでは何も残らない——姉が発症したと思われる日から18年後、映像制作を学んだ藤野は帰省ごとに家族の姿を記録しはじめる。一家そろっての外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親の話に耳を傾け、姉に声をかけつづけるが、状況はますます悪化。両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるようになり……。
20年にわたってカメラを通して家族との対話を重ね、社会から隔たれた家の中と姉の姿を記録した本作。“どうすればよかったか?” 正解のない問いはスクリーンを越え、私たちの奥底に容赦なく響きつづける。分かりあえなさとともに生きる、すべての人へ向けた破格のドキュメンタリー。
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\12/7㊏公開📽劇場も順次拡大中/
『どうすればよかったか?』
監督・撮影・編集 藤野知明
制作・撮影・編集 淺野由美子
編集協力 秦岳志 整音 川上拓也
製作 動画工房ぞうしま
配給 東風
2024年/101分/日本/DCP/ドキュメンタリー
(C)2024動画工房ぞうしま
📌公式サイト▶
dosureba.com
📌公式X▶
@dosureba_film
📌公式note▶
『どうすればよかったか?』マガジン