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2022.07.26

五百旗頭幸男監督『裸のムラ』10/8(土)より東京・石川ほか全国順次公開決定!

『裸のムラ』
2022年10月8日(土)より、[東京]ポレポレ東中野、[石川]シネモンドにて ほか全国順次公開決定!


*デザイン:渡辺純*

◢◤INTRODUCTION◢◤
どこもかしこも嗚呼、パターナリズム?!
北陸の保守王国にみる、ニッポンの縮図
『はりぼて』の五百旗頭幸男監督がしかける、笑うに笑えないポリティカル・ドキュメンタリー


舞台は石川県。現職最長となる7期27年目の谷本正憲知事(75)は、コロナ禍に「無症状の方は石川県にお越しいただければ」と失言、「4人以下での会食」を呼びかけながら自身は90人以上で会食。永すぎた権力集中が招いた綻びか、仕える者は忖度の度合いを強め、為政者は傍若無人になっていく。そんな長期県政もついに終焉を迎えた。8選出馬に前向きに見えた谷本の機先を制したのは、谷本の選対本部長を務めていた衆議院議員の馳浩。新知事が掲げたスローガンは「新時代」。そういえば22年前、衆議院に初当選した馳が掲げていたのもまた「新時代」だった。ムラの男たちが熱演する栄枯盛衰の権力移譲劇。ここ一番で必ず登場するのは、ご存知キングメーカーの森喜朗だ。いっぽうキャメラは、市井の生活者へも向けられる。同調圧力の強い社会で暮らすムスリム一家、車で移動しながら生活や仕事をするバンライファーの家族の姿から、理想や自由をめぐる葛藤と矛盾が浮かび上がる。

監督は、富山市議会の不正を丸裸にした映画『はりぼて』の五百旗頭幸男。富山のチューリップテレビを辞した五百旗頭が、新天地の石川テレビで制作した2本のドキュメンタリー番組「裸のムラ」と「日本国男村」から本作は生まれた。映画は、私たちが暮らす社会に偏在する家父(パターナ)長制(リズム)の徴を笑いとともに抉り出していくのだが、被写体と厳しく向き合うなかで、しだいに高圧的になっていく取材者自身の姿も晒すことになり…。


◢◤五百旗頭幸男監督コメント◢◤

世の空気は政治や行政によって醸成され、市井の人々へと伝播する。今作は前作「はりぼて」のように明快に不正を暴くものでなく、この国のムラ社会を覆う空気を描いたものだ。目に見えないが、人々は簡単に流され、染められていく。その様は滑稽で危うい。一昨年、17年勤めた地方局を離れた。社会の空気はテレビ局をも支配し、官僚機構同様、忖度がはびこり同調圧力が強まった。ドキュメンタリーは作り手の今も映し出す。地方局内に染み込んだ空気により傷を負った制作者として、その源を探り、見えない空気を映像化するのは宿命だった。

監督:五百旗頭幸男(いおきべ ゆきお)
1978年兵庫県生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。2003年チューリップテレビ入社。スポーツ、県警、県政などの担当記者を経て、16年からニュースキャスター。20年3月退社。同年4月石川テレビ入社。ディレクター作品に「異見~米国から見た富山大空襲~」(16/ギャラクシー賞奨励賞・日本民間放送連盟賞優秀賞)、冬季は閉鎖されている立山黒部アルペンルートの通年営業化計画を検証した「沈黙の山」(18/ギャラクシー賞選奨・日本民間放送連盟賞優秀賞)など。17年に富山市議会の政務活動費不正問題を追ったドキュメンタリー番組「はりぼて~腐敗議会と記者たちの攻防~」にて文化庁芸術祭賞優秀賞、放送文化基金賞優秀賞、日本民間放送連盟賞優秀賞などを受賞。20年、同じく富山市議会の不正を追い続けた映画『はりぼて』を砂沢智史とともに監督し劇場公開。全国映連賞、日本映画復興賞などを受賞した。21年、石川テレビ移籍後に発表したドキュメンタリー番組「裸のムラ」にて地方の時代映像祭選奨を受賞。22年、「日本国男村」を制作。富山市議会政務活動費不正受給問題の取材では菊池寛賞、日本記者クラブ賞特別賞、JCJ賞、ギャラクシー賞大賞を受賞。著書に「自壊するメディア」(講談社、共著)、「富山市議はなぜ14人も辞めたのか~政務活動費の闇を追う~」(岩波書店、共著)。



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