平和へのヒントは、野良猫たちから教わった
英題:Peace
監督・製作・撮影・編集:想田和弘 製作補佐:柏木規与子
撮影協力:共助グループ喫茶去 岡山済生会総合病院 移動ネットおかやま
配給:東風
2010年|日本・アメリカ・韓国|75分 © 2010 Laboratory X Inc.
東京フィルメックス・観客賞
香港国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞
ニヨン国際映画祭・ブイエン&シャゴール賞
韓国・非武装地帯ドキュメンタリー映画祭・オープニング作品
ほか
「平和って何だろう?どうしたらみんなが共存できるの?」韓国の映画祭から、この「人類永遠の問い」を向けられた想田和弘監督は、岡山で暮らす人々や猫の何気ない日常にカメラを向けた。平和と共存へのヒントは、どこか遠くではなく、自分たちの毎日の生活、足元にこそ潜んでいるのではないか。そう、想田は思ったからだ。想田の妻の実家・柏木家に住みついた野良猫グループと、突如現れた「泥棒猫」との確執。91歳の独居老人・橋本至郎と、彼をボランティア同然で介護・支援する柏木夫妻。その夫妻自身にも迫る老い。そして、己の死を見つめる橋本の脳裏に突然蘇った、兵隊としての記憶―。台本無しで回される想田のカメラは、彼らの人生や“ニャン生”に訪れる大切な瞬間に奇跡的に立ち会う。観る者は、戦争と平和、生と死、拒絶と和解、ユーモアと切なさが同居する「生の時間」を体感し、「共に生きる」ことの難しさと可能性に思いを巡らせる。