古代の記憶が宿る万葉の地・飛鳥――
“待つ”ことのなかで、その命をまっとうした人々がいた
英題:Hanezu
出演:こみずとうた、大島葉子、明川哲也、麿赤兒、小水たいが、樹木希林、西川のりお、山口美也子、田中茜乃介
脚本・監督・撮影:河瀨直美 音楽:ハシケン 録音:伊藤裕規 美術:井上憲次
製作:橿原・高市広域行政事務組合+組画 配給:組画 配給協力:東風
2011年/日本/DCP・HD/91分 © 2011 『朱花の月』製作委員会
2011年カンヌ国際映画祭コンペティション部門 正式招待
遠い昔より、神々の宿る地とされている畝傍(うねび)山、香具(かぐ)山、耳成(みみなし)山――飛鳥地方にある“大和三山”は、今なお万葉の時代と変わらぬ姿を見せている。染色家の加夜子(大島葉子)は、地元PR紙の編集者の哲也(明川哲也)と長年一緒に暮らしているが、かつての同級生で木工作家の拓未(こみずとうた)と、いつしか愛し合うようになっていた。幸せなときを過ごすふたりだったが、加夜子が身ごもったことを機に、平穏な日常に変化が訪れる。大和三山を男女になぞらえ「一人の女を二人の男が奪い合う」。幾多の万葉歌に詠われているように、それは今も昔も変わることはないのか……。