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愛と法

2018年9月22日(土)シネ・リーブル梅田、9月29日(土)渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開
愛と法
溢れるやさしさとユーモア 明日を生きるヒントと勇気
国際映画祭が絶賛した新しい眼差し 大傑作ドキュメンタリー映画の誕生!
原題:Of Love & Law
出演:南 和行 吉田昌史 南 ヤヱ カズマ ろくでなし子 辻谷博子 井戸まさえ 山本なつお
監督:戸田ひかる
プロデューサー:エルハム・シャケリファー 撮影監督:ジェイソン・ブルックス
編集/アソシエイト・プロデューサー:秦岳志 音楽:前田雄一朗
共同プロデューサー:エステル・ロバン・ユウ 音響:ヴァネサ・ロレナ・テイト 
製作:Little Stranger Films/Hakawati
製作協力:Chicken & Egg Pictures/Les films du Balibari/Postcode Films
配給:東風
2017年|日本・イギリス・フランス|94分 (C) Nanmori Films

2017年 第30回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 作品賞
2018年 第42回香港国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
2018年 第42回サンフランシスコFrameline映画祭 正式招待
2018年 第32回BFI Flare ロンドンLGBTQ+映画祭 正式招待
2018年 第18回ニッポン・コネクション ニッポン・ヴィジョンズ 審査員特別賞
文部科学省特別選定:青年向き、成人向き
文部科学省選定:家庭向き(2018年8月22日選定)
カズとフミは大阪の下町で法律事務所を営む弁護士夫夫(ふうふ)。仕事も生活も二人三脚のふたりのもとには、全国から“困っている人たち”が相談にやってくる。セクシュアル・マイノリティ、養護が必要な子どもたち、戸籍を持てずにいる人、「君が代不起立」で処分された学校の先生、作品が罪に問われたアーティスト…。それぞれの生き方と社会のしくみとの間で葛藤を抱える人たちだ。ふたり自身も法律上は他人同士のまま。そんなある日、ふたりの家に居候がやってくる。突然居場所を失った少年・カズマくん。三人の新しい生活がはじまった…。

東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門に、唯一のドキュメンタリー映画として選ばれた本作は「大胆かつ軽いタッチで、多様性、個性、勇気、愛について、力強いメッセージを届けた」と評され、作品賞を受賞。続く香港国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞に輝いた。
監督は、欧州で長年活動していた戸田ひかる。10歳から海外で育った彼女ならではの瑞々しいまなざしが、日本社会の現実を鮮やかに、愛情いっぱいに描き出す。

【STAFF PROFILE】

監督:戸田ひかる(とだ・ひかる)
10歳からオランダで育つ。ユトレヒト大学で社会心理学、ロンドン大学大学院で映像人類学・パフォーマンスアートを学ぶ。10年間ディレクターと編集者としてロンドンを拠点に世界各国で映像を制作。作品はNHK、BBC、ABC、The Guardianなどで放送されたほか、メルボルン国際映画祭など多数の国際映画祭で上映。本作の撮影で22年ぶりに日本で暮らす。現在は大阪在住。

編集・アソシエイト・プロデューサー:秦岳志(はた・たけし)
1973年東京都生まれ。大学在学中よりBOX OFFICEの映像制作部でテレビ番組、映画予告編制作を担当。99年よりフリーランスとなり、現在はドキュメンタリー映画と予告編の編集を中心に活動。編集した主な映画作品に、佐藤真監督『花子』(01)、『阿賀の記憶』(04)、『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(05)、ジャン・ユンカーマン監督『チョムスキー9.11 Power and Terror』(02)、小林茂監督『わたしの季節』(04)、『チョコラ!』(08)、『風の波紋』(15)、真鍋俊永監督『みんなの学校』(14/編集協力)、小森はるか監督『息の跡』(17)、原一男監督『ニッポン国VS泉南石綿村』(17)など。

プロデューサー:Elhum Shakerifar(エルハム・シャケリファー)
ロンドンに拠点を置くドキュメンタリー映画制作会社Hakawati代表。アラブやアジア、欧州、アフリカなど市井に生きる人々の物語を丁寧にすくい上げる作品群で注目を浴びる。主なプロデュース作に「The Reluctant Revolutionary」(12)、「The Runner」(13)、「A Syrian Love Story」(15)、「Even When I Fall」(17)、「Almost Heaven」(17)、「ISLAND」(17)、「A Northern Soul」(18)など。BFI Vision Award(2016年)、Women in Film & TV Factual Award(2017年)などを授賞。
http://www.hakawati.co.uk


撮影監督:Jason Brooks(ジェイソン・ブルックス)
ロンドン在住のドキュメンタリーカメラマン。欧州のみならずアフリカやアジア、アラブ各地など世界中での取材経験を持つ。またPVやミュージックビデオなどの演出、編集も数多く手がける。主な撮影作品に「Al Quds Underground」(10)、「Peace Vs. Justice」(12)、「Arata Tanabe - Cora Tua Tristeza」(15)、「In Our Hands」(17)など。
https://opticalism.com/jason/

音楽:前田雄一朗(まえだ・ゆういちろう)
1980年大阪生まれ。ギタリスト、作曲家。幼少期から音楽に溢れる家庭環境で育ち、リバプール音楽大学(LIPA)で学ぶ。その後、自身のバンド「Yaneka」を結成し、ロンドン、ストックホルム、パリの3都市を拠点に活動を始める。また近年はソロプロジェクト「Moojigen」を始動させる他、作曲家、サウンドエンジニアとしても活躍。ISSEY MIYAKEやART COMES FIRSTなどのアパレルブランドのコレクションでのライブ音楽を担当するなど、活動の幅を広げている。
https://www.facebook.com/moojigen/

【COMMENTS】順不同・敬称略
法律の論理は心で感じ、家族の愛は頭で考えさせる、とても不思議な映画でした。
駆け抜ける夫夫の汗と笑いが刻まれたのは、僕の心でした。
皆さんに是非見ていただきたい。
―ロバート キャンベル(日本文学研究者)


ドキュメンタリーとして、この映画は様々な問題を提示する。
勿論、問題意識も自分の中に立ちのぼる。
だけど、心に響いたのは闘う彼ら、彼女らの何気ない表情や時間だったりした。
そんな瞬間を監督は絶対に切り捨てたりせず絶妙な距離感で描いてくれた。
良い映画をありがとうございました。
やっぱ闘っている人は魅力的ですね。
―山下敦弘(映画監督)

不完全で、足りなくて、いびつで、唯一無二
人は誰しもそんな形で生まれてくる。
もがいて生きる人間が居心地の良い場所を
見つけるには、「愛」と「法」が必要だ。
カズとフミは、その二つに真摯に向き合っている。
とても素敵だ。
―赤江珠緒(フリーアナウンサー)

「性」を見下し「愛」を認めない人々が決まってすがる常識や法律は不変ではない。
南さんらが闘い育てているのは「めんどくさいこと」かもしれないが、私たちが私たちでいるための当たり前の土台なのだ。
―ブルボンヌ(女装パフォーマー)

なんと素敵でおっきなドキュメンタリーだろう!
ゲイの弁護士カップルの微笑ましい日常…だけでなく、彼らが扱う案件から日本の不穏な現状がよく見える。
リアル「きのう何食べた?」であり、『チョコレートドーナツ』だ!
―中村千晶(ライター)

法と表現は相性が悪い?
でも、法は人の生き方や表現を守ってもくれるものでもあるのだ。
たとえどんなに多くの困難が立ちはだかろうと、すべてのひとが自分らしく生きられるなら、どんなに素晴らしいことか。
カズとフミを見ていると、きっとそんな希望が湧いてくる。
―椹木野衣(美術批評家)

南弁護士はお調子者だし、吉田弁護士は気難しい。だけど、南くんの沈黙、吉田くんの反論に2人の優しさがにじんでいる。その根っこには法の知識と他者の痛みへの感受性があります。
だから『愛と法』なのです。
―三輪記子(弁護士)

法は言葉。つまり論理。そして愛は感情。相反する二つがスクリーンで衝突する。そして気がついた。この二つは相反しない。法は愛が基本になければいけないのだと。
―森 達也(映画監督/作家)

ワカモノ、バカモノ、ヨソモノ。豊かな社会に欠かせない人々だ。しかし、この社会は縛り合い、排除し、均質化に突き進む…。 ボクはこの息苦しいのが大嫌いだ。人間が自由に生きるとは…。本作は、やさしく、根っ子から、そして、ユーモラスに問いかけてくれる。
―阿武野勝彦(東海テレビ放送/『ヤクザと憲法』『人生フルーツ』プロデューサー)

法はどんな人も見捨てない。
世間に傷つけられながらも、個人を信じ続ける。
そこに、法という名の愛があるのだと思います。
―木村草太(憲法学者)

「普通」って何ですか?
『愛と法』はこの言葉を私に突きつけました。「普通」のことができなくて苦しんでいる子どもがたくさんいます。 この「普通」という言葉が見えない排除を生んできた日本社会です。
「人と人」が結婚する。これが「普通」なのだということに気づかせてくれた映画でした。
―木村泰子(「みんなの学校」初代校長)

法から、はみ出し、裏切られ、救われない、という経験が繰り返される。依頼人の痛みは他人事ではなく、ふたりの心の傷が深く抉られる。それでも「家族」と大阪の街に癒され、ご飯を食べ、また闘う。ふたりはかっこいい。そしてチャーミング。大阪の誇りです。
―村木真紀(特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ 理事長)

私の『世界の中心で、愛をさけぶ』ではじめて映画の現場に立ったひかるが映画監督になった!
ゲイ夫夫の弁護士のふたりが可愛いらしく捉えられ、マイノリティーのふたりだからこそ見える世界を描こうという視点が素晴らしい。戸田ひかる監督、おめでとう
―行定 勲(映画監督)

法律は愛の対角線上にあるドライなものだと思っていた。
笑顔も泣き顔もキュートな夫夫が教えてくれる。
法律って、本来は愛がベースにあるべきなんですよと。
―東 ちづる(女優・一般社団法人Get in touch代表)

この作品を見ずして現代日本は語れないのではないか。差別や偏見の恥ずべき現状が司法の場でさらけ出される。 しかし神はこの国を見捨てず、カズとフミという二人の守護天使を弁護士として遣わし、しかも戸田監督という才能と繋げてくれたのだ。 その奇跡を全身で受け止め、自分の行動に生かしたい。
―矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)

当然のことを、当然に、当然のこととして声にするのに体力がいる今、偽りなくありのまま存在する(しようとする)人たちは、特別に強い人たちだろうか。傷つき、憤り、説明し、へたり、今晩何を食べるか考え、表現し、笑い、日常での戦いを続けている人たち。性的少数者として感じる不便さや悲しみをやり過ごすことに慣れてしまった私は、彼らの姿を観て、余裕があるときには、例えば食卓で、仕事場で、呑み屋さんで、差別的であったり認識に差がある人たちと、言葉を交わすことをはじめから諦めるのはやめようと思った。弁護士カップルのお一人である吉田さんは言う「ぼくは法律は世の中変えてけると思ってるし、信頼できないと思いながらもでもなんか期待してるから、なんかすごい悲しかった..(略)」。
期待すれば失望が待っている場合が多い。悲しみも待っている。だけど、それでも期待せずにはいれない何かを、人間はもっている気がする。それは人間がつくった法律や映画にも、通じることかもしれない。
―小田 香(映画作家 /『鉱 ARAGANE』)

驚くべきドキュメンタリー。日本社会の複雑さにどっぷり浸かりながら、世界中で共通する多くの問題が浮き彫りにされる。
―Screen Daily

主人公のカズとフミは素晴らしいカップルだ。彼らの温かさがスクリーンに溢れている。厳格で保守的な社会に対する彼らの闘いは結局はうまくいかない。けれど彼らは教えてくれた。「最後に愛は勝つ」と。
―James Hadfield,The Japan Times

フミとカズは、愛についてたくさんのことを教えてくれる。
―Jay Bernard,BFI Flare

注目すべき女性ドキュメンタリー監督の登場!
―Variety
  • おかえり ただいま
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