立川談志に愛され、永六輔に託された—————
出演:松元ヒロ 監督:四元良隆 牧祐樹 プロデューサー:阿武野勝彦
撮影:鈴木哉雄 編集:牧祐樹 音響効果:久保田吉根 音楽:吉俣良
制作:前田俊広 山口修平 金子貴治 野元俊英 崎山雄二 荒田静彦 クレジットアニメーション:加藤久仁生
製作:鹿児島テレビ放送
配給:東風
2021年|81分|日本|ドキュメンタリー
(C)2021 鹿児島テレビ放送
2020年 日本民間放送連盟賞 最優秀賞
2020年度 第58回 ギャラクシー賞 優秀賞
2020年度 第47回 放送文化基金賞 優秀賞
2020年度 第29回 FNSドキュメンタリー大賞 グランプリ
芸人、松元ヒロ。かつて社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で数々の番組に出演し人気を博した。しかし90年代末、彼はテレビを棄て、主戦場を舞台に移す。政治や社会問題をネタに笑いで一言モノ申す。ライブ会場は連日満席、チケットは入手困難。松元が20年以上語り続ける『憲法くん』は、日本国憲法を人間に見立てた演目。井上ひさしが大絶賛し、永六輔は「ヒロくん、9条を頼む」と言い遺した。その芸は、あの立川談志をしてこう言わしめた。「最近のテレビはサラリーマン芸人ばかり。本当に言いたいことを言わない。松元ヒロは本当の芸人」。けれど、いや、だからこそ、いまテレビで彼の姿を見ることはない…。
そんな今日のメディア状況に強い危機感を募らせていたのは、松元の故郷鹿児島のローカルテレビ局。2019年の春から松元ヒロの芸とその舞台裏にカメラが張りついた。監督は鹿児島テレビの四元良隆と牧祐樹。プロデュースを手掛けたのは東海テレビの阿武野勝彦。なぜ松元ヒロはテレビから去ったのか? なぜテレビは松元ヒロを手放したのか? そして本作はその答えを見つけられたのか?“テレビで会えない芸人”の生き方と笑いの哲学から、いまの世の中を覗いてみる。その先に、モノ言えぬ社会の素顔が浮かび上がる。