土地を奪われた怒り、哀しみ――
でも、それだけじゃない。ここで出逢った想いを、 言葉を、伝えたいと思った。
監督:松林要樹
映題:Fukushima:memories of the lost landscapes
製作・著作:3JoMa Film 配給:東風
2011年/日本/109分/(C)Matsubayashi Yojyu
山形国際ドキュメンタリー映画祭2011「Cinema with Us」 正式出品
第36回香港国際映画祭2012 「Reality Bites」部門 正式招待
Nippon Connection2012「ニッポン・ヴィジョンズ賞」審査員特別賞
高雄映画祭2012「Voice of Island日本311」
第31回ジャン・ローシュ映画祭 コンペティション部門 正式出品
東京電力福島第一原子力発電所から20キロ圏内にある南相馬市原町区江井地区。2011年4月3日、津波と放射能汚染と強制退去で様変わりしたこの地域へ、松林要樹は救援物資を携えて向かった。市議会議員田中京子さんとの偶然の出逢いから、松林の取材生活が始まる。ときに避難所で寝泊まりしながら、被災の後に流れる特異な時間を現地の人々と共に生き、その表情と肉声を間近から捉える。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2011で本作が上映されると、会場は笑いと涙につつまれた。逆境に立ち向かう者同士が交わすユーモア。いつの世もかわらぬ男女の機微。土地を、自由を奪われた人々の背景で咲き誇る桜の花。いくつもの美しい映画的な瞬間を湛えながら『相馬看花』は、原発事故によって奪われた土地の記憶へと迫っていく。