風がおしえてくれたこと。 いのちと暮らす、いのちを食べる。
『阿賀に生きる』『阿賀の記憶』のスタッフたちが見つけた
ドキュメンタリー映画の新たな地平
英題:Dryads in a Snow Valley
監督:小林茂 撮影:松根広隆 現場録音:川上拓也 音響:菊池信之
編集・アソシエイトプロデューサー:秦岳志 編集協力:山崎陽一
音楽:「めざめのとき」天野季子(作詞・作曲・歌) プロデューサー:矢田部吉彦 長倉徳生
後援:「小林茂の仕事」Oタスケ隊 助成:文化庁文化芸術振興費補助金
製作:カサマフィルム 配給:東風
2015年|日本|99分
(C)カサマフィルム
2015年 山形国際ドキュメンタリー映画祭2015 正式招待
2015年 日本撮影監督協会第24回 JSC賞
2016年 第10回台湾国際ドキュメンタリー映画祭 アジアコンペ部門 正式招待
舞台は越後妻有(えちごつまり)の里山。この雪深い村に都会から移り住んだ木暮さん夫婦は、茅葺き屋根の古民家を修復し、見よう見まねで米を作って暮らしてきた。ゴリゴリと豆を挽いてコーヒーを淹れ、野山の恵みを食卓にならべる。草木染職人の松本さんは、山桜で染めた糸を夫婦並んで手織りする。色鮮やかな着物が仕立てあがるころ、娘さんが成人式を迎えた。
悠々自適、気ままな田舎暮らしに見えるけれど、ときに自然はきびしい。冬ともなれば雪がしんしんと降り続け、来る日も来る日も雪かきに追われる。ひとりでは生きられない。茅葺きや稲刈りも協働作業だ。木暮さんのまわりには不思議と個性ゆたかな仲間が集まり、ことあるごとに囲炉裏を囲んで宴がはじまる。歌と笑い、もちろんお酒もかかせない。そうやって、ここでは新しいかたちの「結(ゆい)」がゆるやかに息づいている。
ある春の朝、大きな地震がおきた。木暮さんの家も全壊したが、彼は再建を決意する――。
手間を惜しまず丹念に育てられた米や野菜が、私たちの暮らしを彩るように、心をこめて作られた一本の映画が、人生のたいせつな糧となることがあります。『風の波紋』は、『阿賀に生きる』『阿賀の記憶』のスタッフたちが5年の歳月をかけて、じっくりと作りあげた映画です。