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ガンで「声」を失くした佐野和宏、18年ぶりの復活作
監督・脚本・主演:佐野和宏
キャスト:円城ひとみ 酒井あずさ 蜷川みほ 芹澤りな 柄本佑 緒方明 川瀬陽太 工藤翔子 吉岡睦雄 飯島洋一
プロデューサー:寺脇研 撮影:田宮健彦 録音:弥栄裕樹 美術:飯森則裕 編集:菊池智美
助監督:坂本礼 特殊造形:松井祐一 音楽:勝啓至 佐藤全太 スチール:浅田トモシゲ
制作:国映株式会社 製作:『But only love…』製作運動体 配給:東風
2015年|日本|89分
(C)2015『But only love…』製作運動体
伝説のカルト映画『追悼のざわめき』に主演、80~90年代にかけてピンク映画の世界で、自ら主演・脚本・監督をこなす独自のスタイルを確立した佐野和宏。代表作『Don't let it bring you down』(『変態テレフォンONANIE』)などドラスティックでメッセージ性の高い作品を次々と発表し、瀬々敬久らとともに「ピンク四天王」と称される。しかし97年以降、メガホンをとることはなく、2011年に咽頭癌を患い声帯を失っていた…。
そんな佐野和宏が18年の「沈黙」を破った。佐野は闘病の跡が刻まれた体躯をさらし、筆談でスタッフに指示をだし、俳優たちを演出する。「佐野の映画が見たい!」とプロデュースを手がけたのは映画運動家の寺脇研。飯島洋一(『狂い咲きサンダーロード』『戦争の犬たち』)をはじめ個性溢れる役者たちが、佐野の復活を祝福するかのように集まった。映画の中盤、主人公がキャメラに向かって延々と語りかける。その声は、かすれ、とぎれ、言葉にならない。しかし鬼気迫る姿から目をそらすことができない。震える魂の叫びを、なけなしの愛の物語を、ぜひ映画館で!